あいち資源循環ナビ 愛知環境賞

2011年 銀賞フジクリーン工業 株式会社

省スペースと省エネルギーで水環境を改善する環境配慮型浄化槽の開発

連絡先

フジクリーン工業 株式会社 本社

名古屋市千種区今池四丁目1番4号
TEL :052-733-0325

受賞のポイント

省スペースで高度処理が可能な合併処理浄化槽を開発し、河川など公共用水域の水質改善や、製造・施工時のCO₂排出量削減効果に大きく貢献する道筋をつけたことが高く評価された。

概要

我が国における生活排水などを処理する汚水処理施設(下水道や浄化槽など)の人口普及率は86%と年々増加傾向にあるが、汚水処理施設が未普及の地域では雑排水(トイレ以外の厨房・洗濯・風呂など)は未処理のまま公共用水域に放流されており、閉鎖的海域の汚染の大きな要因を占めています。そこで、水環境を改善するために、環境への汚濁負荷が大きく、かつ狭い場所に設置された既設単独浄化槽の合併転換が可能な浄化槽、処理能力が高く、地球温暖化防止のためにCO₂排出量がより少ない浄化槽を目指して開発を行いました。

先駆性・独創性

汚泥の発生量を抑制する技術を導入し、省スペース化を実現

汚泥貯留部に接触材を充填して汚泥を高濃度に保ち、好気状態で微生物の自己酸化を促進させて、汚泥の発生量を抑制する技術を浄化槽に初めて組み込みました。これにより、従来の浄化槽に比べ、容量を約30~50%、設置スペースを約30~40%削減しました。

高度処理化を実現

生活排水の流入変動を緩和するためにピークカット機能を強化。堆積物、汚泥などを各槽から汚泥貯留部に集め、汚泥の効率的貯留を実現し、更に後段の好気ろ床槽では、微生物の付着した接触材・担体の間を汚水が繰り返し循環することで処理能力を高めました。

環境負荷低減効果

①公共用水域の水質改善

CF型で既設単独浄化槽の合併転換を図ると、公共用水域に排出されるBOD量は90%以上、富栄養化の原因である窒素も大幅に削減することができます。

②CO2排出量の削減

従来の浄化槽と比較し、小容量化による製造時の省部材及び製造エネルギーの削減、運搬効率、施工性の向上の他、使用時のブロワの省エネ化、汚泥の減量化などにより、CO₂総排出量を約9~12%削減できます。