あいち資源循環ナビ 愛知環境賞

2022年 銀賞株式会社豊栄商会

アルミ溶湯搬送システム「ALサーブ®」の普及による アルミダイカスト工程のCO2削減への貢献

連絡先

株式会社豊栄商会

豊田市堤町寺池66番地
0565-52-5011
http://www.hoei-shokai.co.jp

受賞のポイント

アルミを固体ではなく溶湯のまま安全に搬送する技術を開発することで、アルミ供給事業の先進的なビジネスモデルを構築し、アルミ鋳造工程における設備、エネルギー、工数を削減したことは、環境負荷の低減と脱炭素社会の形成に大きく貢献するものと高く評価された。

概要

近年、自動車産業において、燃費向上のため、車体の軽量化が進み、アルミダイカスト(鋳造)部品の使用が増加している。

アルミダイカスト部品の製造は、通常、アルミ2次合金メーカーでアルミ原料を溶解精錬しインゴット(固体)を製造した後、自動車部品製造メーカーで再度インゴットを溶解する工程が取られている。

株式会社豊栄商会は、アルミを溶湯(液体)のままトラックで搬送し、搬送先で安全に配湯できるシステム「ALサーブ®」を開発し、新たなビジネスモデルを確立した。

アルミを溶湯のまま販売することで、アルミ2次合金メーカーでの鋳造・梱包工程と、自動車部品製造メ―カーでの溶解工程が不要となり、設備、エネルギー、工数の削減ができ、互いにWin-Winのビジネスが成立している。

先駆性・独創性

アルミの搬送はインゴットといった従来の概念を大きく変え、当社が国内で先駆けて、溶湯販売を初めた。溶湯販売は、部品製造メーカーの溶解工程が不要となり、設備、エネルギー、工数、及びCO2排出量が削減でき、環境、経済の両面において大きなメリットがある。さらに、従来の危険で熟練性を要する現場の配湯作業に替えて、安全性と作業性を向上させるALサーブシステムを独自開発することで、溶湯販売の拡大に大きく貢献している。

環境負荷低減効果

アルミの供給モデルをインゴットから溶湯に切り替えた場合、225kg-CO2/tの削減効果がある。

当社のアルミ溶湯の販売量からCO2削減量を算出すると、年間約2.5万t-CO2の削減効果がある。