すべての生きものが幸せに暮らせる持続可能な 社会の実現を目指す動植物園の取組
豊橋総合動植物公園(のんほいパーク)
豊橋市大岩町大穴1-238
0532-41-2186
https://www.nonhoi.jp/
動物園、植物園、自然史博物館の複合施設である強みを生かした幅広い視点での教育プログラム、動物福祉を考慮した動物の保全、規格外野菜や駆除害獣の飼料化、プラスチック削減等の多様な活動を実施したことは、生物多様性に対する意識の向上と環境活動の推進に大きく貢献するものと高く評価された。
豊橋総合動植物公園(のんほいパーク)は、本格的な動物園、植物園、自然史博物館を一体的に運営している国内唯一の複合施設である。この強みを生かしながら、各施設が連携した飼育・栽培・展示・教育普及プログラムを実施している。
動物に対しては身体的健康、心理的幸福を得られるよう動物福祉を推進しながら、希少生物の域外保全、在来種の飼育栽培を行うとともに、地元生物の保全に取り組んでいる。また、マイボトルの普及促進、プラスチック食器の廃止などの活動を行いながら、将来にわたって人を含む“すべての生きものが幸せに暮らせる”持続可能な社会の実現を目指している。
動物園、植物園、自然史博物館の連携により、恐竜など過去から現在に至る生物の歴史に触れつつ、現生する生物を観察することで、幅広い視点で生物の進化と歴史を学ぶ機会を提供している。
飼育展示の難しいセグロセキレイなどの和鳥について、繁殖のための環境整備、適切な巣材の提供、飼料の調合など、長年の知見の蓄積に基づく技術や判断のもと、飼育・繁殖を行っている。
地域で絶滅した可能性があるとされていたヤマトサンショウウオの生息調査を実施し、飼育下で孵化させた個体を野外復帰させる取組を進めている。
ボルネオの野生動物レスキューセンターに職員を派遣し、現地の保全活動を直接支援しながら、現地とのオンライン接続による教育プログラムを実施している。
東栄町の団体と協力し、獣害対策により駆除されたシカを適切な方法で処理し、動物の飼料として活用している。この取組は駆除された命を無駄にせず、動物福祉の向上にも寄与するものである。
地元生産者から商品にならない野菜などを寄付してもらい、動物の飼料として活用することで、廃棄物を削減するとともに、地産地消による環境負荷の低減に貢献している。
教育普及事業として、解説ガイド、出張授業、職業体験学習、学芸員実習、インターシップ研修等、動植物公園の内外を問わず幅広い年齢層に対し教育プログラムを展開し、生物多様性や環境の保全に大きく貢献している。
障害のある方への休園日入園制度やボランティア制度などを通じて、より幅広い連携を築き、多様な人々への情報発信を行っている。
来園者は年間90万人を超えており、多くの人に対して動物園、植物園、自然史博物館を総合的に体験することで、地球や生命の過去から現在を知り、未来について考える機会を提供している。