造園業が挑戦する森を守る新しい循環モデル
愛日緑化造園株式会社
瀬戸市みずの坂3-225
0561-48-0264
https://www.forestnear.jp/
造園業の強みを生かし、地元の山林所有者と木材利用者をつないで森の整備活動を推進する地産地消のモデルを構築するとともに、森の魅力を発信する啓発活動を実施したことは、地域の環境活動の推進と循環型社会の形成に大きく貢献するものと評価された。
瀬戸市周辺の森は、固有種が多く、樹木の多様性に富んでいる。その多様性を維持し森の再生を目指すには、間伐などにより手を加えなくてはならない。森の再生を継続して行うためには、山林所有者と木材利用者の相互にメリットのあるモデルの構築が急務となっている。
愛日緑化造園株式会社は、森と暮らしをつなげたいという思いから、「フォレストニア」(「フォレスト=森」+「ニア=近づく」を語源)といったブランドを立ち上げた。森の整備を望む山林所有者と木材利用者をつなぎ、森の再生と造園業の両立を図る地産地消のビジネスモデルを展開している。
フォレストニアが地元の山林所有者に声を掛け、整備の許可を得て、2016年に「森間伐の会」を結成した。薪の確保に苦労している薪ストーブ所有者や肉の燻製に使う人、木工作家や樹液からアロマオイルを抽出する人などにつながっている。
また、地産地消型の「山採りの木」を使った庭造りを行い、その収益を地元の森の整備へ還元し、好循環を生み出す仕組みづくりを行った。
地元の造園業者としての技術を生かして、地域の課題や森の再生の中心的な存在となるビジネスモデルによって、各地の森の問題も解決できるようにノウハウを広めていくことを目指している。
森の様々な課題は、一般的に知る機会も少なく、森に関心を持つように無理なく誘導することが必要である。森は広大で、より多くの人の協力が不可欠であり、啓発活動によって新たな森の再生方法も生まれてくる。地元の木工作家、燻製屋など地産地消による瀬戸市全体のブランド化につながることを期待している。
森間伐の会は、会員が57名まで増え、地元の森を守るために運営する新しい組織として認識されている。
森の啓発活動として、年間30~40回ほどツアーを開催し、多くの人が森に関心を持つようになった。