加工困難な国産針葉樹から合板製造を可能にした装置の開発(国内シェア88%)
株式会社名南製作所
大府市梶田町三丁目130番地
TEL :0562-47-2211
http://www.meinan.co.jp/
加工が困難で用途が限られていた国産針葉樹を、合板の原材料として利用できる合板製造機械を世界で初めて開発し、国産未利用材の利用率の大幅な向上に寄与したことは、環境負荷の低減と資源循環型社会の形成に大きく貢献するものと高く評価された。
株式会社名南製作所は、合板製造の主要装置であるロータリーレース(丸太をかつら剥きに切削して合板の原料となる単板を製造する装置)に関し、独自の技術開発を行い、国産針葉樹の活用を技術面から可能にした。
国産針葉樹の中でも植林により大きな蓄積があるスギは、これまで、割れやすい、切削加工が困難、小径等の材質上の課題により利用が進んでいなかった。この開発は、これらの課題を解決した。
現在、当社のロータリーレースの国内シェアは、88%になっている。このロータリーレースとともに合板関連装置メーカーによる刃物や機械の改良、合板メーカーの国産材使用商品の開発、林業関係者などの協力と努力の結果、2000年に3%であった合板の国内生産における国産材の割合は、2016年には80%まで向上した。
当社の技術は、国産針葉樹の活用の促進、森林整備の推進や地球温暖化防止等に貢献した。
従来のロータリーレースは、丸太の両端面を回転軸(スピンドル)で支え、丸太の外周部に刃物を当てて単板を製造するもの(スピンドル駆動方式)で、この方式では切削途中で丸太が割れる、回転軸がずれて安定した切削ができない、剥き芯が大きく小径木が使えない等の理由により、スギは合板の原料にできなかった。
これに対して、国産針葉樹等を合板の原料とするために当社は次の技術を開発した。
2000年に3%であった国産材の割合は、2016年に80%に増大した。この多くは植林された針葉樹材であり、当社の技術は森林保全に寄与している。
国産針葉樹が合板用材として供給された量は2017年の1年間で397万m3(うち、スギは248万m3)であり、約37万トンの炭素が固定化されたことになる。
国産針葉樹の平均直径を30cmと仮定すると、従来燃料等(サーマルリサイクル)になっていた剥き芯を20cmから4cmに小径化したことで、原木に対する剥き芯の割合は44%から2%となり、原木の98%がマテリアルとして利用できる。