新設計金型の開発による超高張力鋼鈑の冷間プレス加工
チヨダ工業株式会社
愛知郡東郷町大字春木字岩ヶ根1番地
TEL :0561-38-0005
http://www.t-chiyoda.co.jp/
自動車に使用される金属部品の成形において、高精度かつエネルギー使用量の少ない独自の成形技術を開発したことは、環境負荷の低減と低炭素社会の形成に大きく貢献するものと評価された。
自動車の軽量化を図るために用いられる超高張力鋼鈑は、加工時のワレ、シワなどの変形を制御することが難しく、加熱してプレスする加工方法が一般的である。
チヨダ工業株式会社は、金型メーカーとして蓄積した技術力をベースに、熱を使わない冷間プレスによる成形技術を開発し、大幅にエネルギー使用量を削減した。また、試作品のシミュレーションができるCAE技術※ の導入、変形の原因となる応力を一点に集中させて開放する金型構造の開発などにより、軽量化とともに部品点数を削減し、コストダウン、品質向上、環境負荷低減を同時に実現した。
※ CAE技術…Computer Aided Engineering
工業製品の設計や構造の解析、机上の試験などに、コンピューターシステムを導入して効率的に行う技術
設計と製造現場をITでつなぎフィードバックを重ねることにより、超高張力鋼鈑の最適な成形方法を突き止め、応力を一点に集めて開放する金型(下図参照:一体成形の側面AにU字溝を形成)を開発し、ワレやシワの発生を解消した。
自社の実績データを生かして、フィードバックの解析ポイントが10倍以上のCAEで、高精度金型を製造した。
目的形状に応じた最適加工手順を開発し、冷間プレスでの応力による変形の課題を克服した。
自動車メーカーのプレスラインの熱処理(熱間プレス)工程が不要になる。
熱間プレスのエネルギー消費(1プレスライン当たり重油消費量:1400kl/年)を削減できる。
超高張力鋼鈑サイドフレーム対象車: 6万セット/月 サイドフレーム質量 1kg削減/セット(2018年実績見込み)
6万セット/月(3万台分) 1kgx60,000セットx12カ月= 720トン/年の資材削減
(2020年予想:12万セット/月(6万台分) 1kgx 120,000セットx12カ月=1,440トン/年の資材削減)
(原単位は「プレス技術」他)