あいち資源循環ナビ 愛知環境賞

2013年 銀賞株式会社豊田自動織機

人と環境にやさしい自動車エアコン用電動コンプレッサーシリーズの技術開発

連絡先

株式会社豊田自動織機 共和工場

大府市共和町茶屋8番地
TEL :0562-48-5704

受賞のポイント

エンジン動力に依存せずに作動可能なハイブリッド車や電気自動車向けの画期的なエアコン用電動コンプレッサーを開発し、シリーズ化を通じて小型化・軽量化・高効率化を実現したことが、車両の燃費向上及びCO2削減に大きく貢献したとして、その実績が高く評価された。

概要

自動車エアコンの心臓部であるコンプレッサーは、従来型ではエンジンから動力を得ていた。これに対し当社では、エンジン動力に依存しないことで、自動車の燃費向上アイテムであるアイドルストップなどでも稼働する、量産車エアコン用電動コンプレッサーを開発した。加えてコンパクト~ミディアム~ラージクラスで、各々の車格における要求を満たすため、シリーズ化を果たした。

電動コンプレッサーは、モーターを動かすのに大きな容量の蓄電池を必要とするため、HVやEVに適しており、電動コンプレッサー市場で当社製は8割を占める。2003年に「ES18」が、世界で最初に量産車用として2代目トヨタプリウスに搭載されて以来、人と環境にやさしい当社の電動コンプレッサーは、あらゆる車格に適応することで世界の自動車メーカーに採用され、累計生産台数は430万台に達している。(2012年7月現在)

先駆性・独創性

①HVは通常、エンジン車をベースとするため、コンプレッサーの大きさが制約される。従来型に対し、モーターやインバーターを追加するにもかかわらず、体格を同等に抑える必要がある。当社は、電動化により動力をエンジン回転に依存しないことに着目。コンプレッサーを高回転型にすることで容量を小さくし、体格の小型化を図った。

②低燃費車に搭載されるため、重量も抑える必要がある。「ES18」では極限までの肉薄化、コンプレッサー内スペースの効率化、コイル巻き方の工夫によるモーターのコンパクト化、等を徹底追究した結果、体格や重量を従来型並に抑えることに成功した。

③冷房能力に応じ容量を変えることでシリーズ化し、室内空間の違いに対応している。

④シリーズ化の過程で別体だったインバーターを一体化し、更なる小型・軽量化に寄与した。

⑤高級車では高い静粛性が要求される。当社ではモーターのローター形状を工夫し、トルクのバラつきを抑えることで、振動と騒音を低減させた。この結果、当社が2007年に量産を開始した「ES34」では、高級車レクサスLSハイブリッドへの搭載に相応しい静粛性を実現した。

⑥当社が2012年に量産を開始した「ESA34」では、軽量化に加え、これまでに筐体上部にレイアウトしたインバーターを側面に移動させることで、搭載性を向上させた。加えてエネルギー消費効率も向上させた(グラフ1)。

環境負荷低減効果

①電動コンプレッサーは、エンジン停止中でも稼働が可能である、効率が良い、回生エネルギーを利用できる、等により車両の実用燃費が大幅に向上。「ES18」では、従来型コンプレッサー搭載車で同等の快適性を求めた場合に比べ、車両燃費が8%向上している。

②開発のたびにリデュース製品を推進し、資源消費を抑える開発を行っている(グラフ2、3、4)。

③「ES34」開発における静粛性向上の取組の結果、「ES27」(2005年に量産開始)よりも5dB低減させている。

このように当社では、電動コンプレッサーのシリーズ化を通して小型化・軽量化・高効率化 等、環境性能を向上させている。