あいち資源循環ナビ 愛知環境賞

2015年 優秀賞株式会社エム・イー・ティー

未利用有機物のマテリアルリサイクルを可能にする活性炭製造装置の開発

連絡先

株式会社エム・イー・ティー

蒲郡市拾石町前田16番地
TEL :0533-67-1638
http://www.met-inc.co.jp

受賞のポイント

大部分を輸入に依存している活性炭を地域の竹や林地残材などの未利用有機物から製造する省エネルギー型の活性炭製造装置を開発したことは、資源循環型社会の形成に大きく貢献するものと評価された。

概要

世界の活性炭需要は毎年11%増加している。世界各国で環境汚染問題が多発しており、活性炭が環境浄化材として使用されるためである。日本では年間20万トンの活性炭が使用され、その70%を輸入している。また、使用量の約80%は上水処理、下水処理、工場排水処理、といった水処理用途に使用される。世界で最も安全とされている日本の水道水は輸入活性炭に支えられている、と言っても過言ではない。近年では蓄電池の電極用途、車のキャニスター、原子力発電所の排気中の放射性元素浄化材、医薬品、食品・薬品の精製剤など広範囲に使用され高度化社会を支える基本材料となっている。

活性炭を製造するには有機物を熱分解して『炭』を得る炭化工程と、『炭』に賦活反応を施し細孔を発達させる賦活工程とが必要である。既存のヤシ殻活性炭はヤシ農園近隣にてヤシ殻の炭化物を製造し、炭化物を活性炭製造工場に集積し賦活工程を施すという二段階方法が採られている。

熱硬化性合成樹脂を原料とした高機能活性炭は炭化工程も賦活工程もバッチ式装置で製造されているために生産性が低い。そこで炭化・賦活工程を一つの装置内で連続して加工できる装置を開発した。国内の未利用有機物が排出される地域で、それらを原料として活性炭を製造できるため、経済活動と環境保全とを両立できる。同時に活性炭の輸入依存リスクを回避できる。

炭化・賦活工程を一つの装置内で連続して加工できる装置

先駆性・独創性

炭化・賦活工程を一つの装置内で連続して加工する装置及び方法はこれまでになかった。

林地残材や間伐材で高機能活性炭から汎用活性炭まで製造でき、未利用合成樹脂、特に熱硬化性樹脂は高機能な活性炭としてマテリアルリサイクルできる。

システムの独創性が生み出す効果として以下が挙げられる。

同一装置で一貫して製造できるために

  1. 炭化工程で発生する乾留ガスをエネルギー利用できる。
  2. 現行方法のような乾留ガスの大気放出がなくなる。
  3. 狭い設置面積で高い生産性が得られる。
  4. 活性炭の製造工期が短くなる。

賦活工程をバッチ式にしたことにより

  1. 長時間賦活が必要な高機能活性炭の製造が可能である。
  2. 多品種少量生産が可能になる。
  3. 高い再現性が得られる。

環境負荷低減効果

本装置で活性炭 100t/年 製造した場合

  1. 未利用有機資源のマテリアルリサイクル量は1,100t/年
  2. 二酸化炭素削減量は
    ・未利用有機資源の炭素固定化分で366t/年
    ・乾留ガスをエネルギー利用することで287t/年
  3. エネルギー削減量は重油換算で95t/年となる。