愛知県では、あいちサーキュラーエコノミー推進プランに基づき、産官学連携の「あいちサーキュラーエコノミー推進プロジェクトチーム(PT)」を2023年1月に立ち上げ、プラスチックや太陽光パネル等7つのPTにて事業化に向けた取組を進めています。
そのうち、PT②(バイオマスプラスチック循環利用PT)では、地域の未利用バイオマス原料を活用したオリジナリティあふれるバイオマス複合プラスチック製品の開発と利用促進を図っています。
本PTでは、産官学連携の取組の1つとして、愛知県内のワイナリーから生じるぶどうの搾りかすを活用した「ループタイ」を製品化しました。
小牧市内にぶどう畑を有し、障がい者の方への就労支援の場としてワイン造りを行う「小牧ワイナリー」のご協力のもと、2023年12月、PT②メンバーであるアサヒユウアス㈱、㈱メニコン、トルムスイニシエイト㈱、またアドバイザーである金城学院大学 生活環境学部 環境デザイン学科の弓立順子教授及び同大弓立ゼミの学生がワイナリーの現場を訪問し、実際のワイン造りの工程について見学しました。
その後、製造の過程で生じるぶどうの搾りかすに着目し、その活用・製品化について、弓立ゼミにて製品企画やデザイン案について検討を行いました。学生からの提案を踏まえ、PTメンバーが連携して製品化の検討を進め、ぶどうの搾りかすを活用した「ループタイ」が実現しました。
この「ループタイ」は、ぶどうの搾りかすとプラスチック端材からなるバイオマス複合プラスチック原料をビーズ状に成形したものです。ビーズ状の形状は、ぶどうの粒のイメージが元になっているとともに、製品としての汎用性も期待できます。端切れやリサイクル繊維を活用したリボンをビーズに通すことで、おしゃれな外見と共に、傘やボトル等のホルダーやリストバンド等、状況に応じた幅広い利用方法が見込まれます。
金城学院大学によるデザイン提案を踏まえ、アサヒユウアス㈱がプロジェクトの全体企画を行い、㈱ハーツがぶどう絞りかすの乾燥を、トルムスイニシエイト㈱、㈱メニコン、三井化学㈱が複合原料化を、㈱大洋プラスチックス工業所が成形を担い、連携して取組を進めました。なお、複合原料のプラスチック原料としては、㈱メニコンのプラスチック端材を活用し、新規の石油原料ゼロでの製作となっています。
今回試験的に製作したループタイについては、2024年10月から11月に愛知県内各所で開催された食品ロス削減イベント等での愛知県ブースにおいて、来場者に対して、啓発資材としてノベルティ配布しました。配布に際しては、実際にデザイン検討した金城学院大学の学生にもご協力いただき、自ら企画に関わった製品が社会で利用される様子を体験いただきました。
PT②では今後も引き続き、地域の様々なバイオマス原料を価値に変えるものづくりを進め、新規プラスチック原料の削減とともに、たのしさあふれるローカルSDGsの取組を進めていきます。