本プランでは、「あいちビジョン2030」、「第5次愛知県環境基本計画」に基づき、世界的な資源循環分野の課題である過度な採取による天然資源の枯渇、大量生産・大量消費による廃棄物量の増加、プラスチック問題などの解決により循環型社会の形成を目指します。
これまでの3R(リデュース・リユース・リサイクル)を核とした取組に加え、資源を有効に循環利用し、資源投入量、廃棄物発生量を限りなく小さくする「サーキュラーエコノミー(循環経済)」への転換による循環ビジネスの進展を図ります。
サーキュラーエコノミーとは、「従来の3Rの取組に加え、資源投入量・消費量を抑えつつ、ストックを有効活用しながら、サービス化等を通じて付加価値を生み出す経済活動であり、資源・製品の価値の最大化、資源消費の最小化、廃棄物の発生抑止等を目指すもの*」で、温室効果ガスの排出やエネルギーの使用の抑制にもつながります。
サーキュラーエコノミー型の循環ビジネスは、コストの改善、技術・サービスのイノベーションの加速、新たな循環ビジネスの創出などの効果も期待され、先導的で高度なリサイクル技術・事業に取り組んできた本県の事業者にとっては大きなビジネスチャンスとなります。
*出典:環境省「令和3年版 環境・循環型社会・生物多様性白書」
全国一の産業県であるからこそ環境分野でもトップランナーであるべきという考えのもと、サーキュラーエコノミーが浸透した循環型社会による環境負荷が最小化された「環境首都あいち」の役割を発揮していくとが求められます。
従来の3Rの取組に加え、エコデザイン、ストックの有効活用、サービス化などにより、資源投入量や廃棄物発生量を最小化するサーキュラーエコノミーの考え方が浸透した循環型社会の形成を目指します。
また、循環型社会の形成を通じて、自然システムが再生され、環境負荷が最小化された「環境首都あいち」を実現し、環境と経済、社会との統合的向上が図られた「持続可能な社会」につなげていきます。
サーキュラーエコノミー型の循環ビジネスへの転換を牽引する役割を担う、6つのサーキュラーエコノミー推進モデルを創設し、このモデルの具体化を目指すプロジェクトチームを設立します。また、事業者連携による取組への事業化支援を実施します。
「あいち資源循環推進センター」を拠点に、循環ビジネスの発掘・創出・事業化支援や、循環ビジネスの事業継続・普及展開支援を実施します。
「あいち環境塾」により、持続可能な社会づくりに向け活躍するリーダーの育成や、サーキュラーエコノミーや循環ビジネスに関する普及啓発・情報発信を進めていきます。
「環境パートナーシップ・CLUB(EPOC)」と「サーキュラーエコノミー型ビジネス創出研究会」の共同開催や、「あいち資源循環ナビ」によるマッチングシステムを活用した事業者連携の促進に取り組んでいきます。
廃プラスチックのマテリアル利用、ケミカル利用を高めつつ、プラスチックの価値をできる限り長期間高く維持する技術や仕組みを構築します。
<取組例>
①梱包材の水平リサイクル
②トレーサビリティを活用した高度なリサイクル
③OA機器や事務機器等のリユース拡大
太陽光パネルの大量廃棄に備えて、処理施設と連携した処理体制の構築やリユース製品としての活用など、広域的な取組を進めます。また、再生ガラスが有効に循環利用されるよう用途開発を進めます。
<取組例>
①太陽光パネルのリユース
②太陽光パネルのリサイクル
県内の繊維産業による古くからのリユースやリサイクルの取組を活用し、繊維製品のライフサイクルを通した循環利用を進めます。
<取組例>
①繊維to繊維リサイクルの拡大
②衣類の有効利用拡大
③衣類のオンデマンド製造の展開
長期利用される生産機器や工作機械、事業用空調設備、建築物などの更なる長期使用を可能にするため、リペアが行いやすい仕組みづくり、リビルドの普及を進めます。
<取組例>
①リペア・リビルド体制の構築
②PaaSによる機器設備等の提供
食品リサイクルによる飼料化や肥料化の取組を進め、バリューチェーン全体で、食品廃棄物を削減する仕組みを構築するとともに、性質・性状に応じた適正な循環利用を進めます。
<取組例>
①食品廃棄物を活用した飼料の高付加価値化
②食品廃棄物のバイオガス化によるエネルギー利用
③食品循環ループの構築
未利用木材のマテリアルからエネルギーまでの段階的な利用やプラスチックから木材への代替を進めるなど、未利用木材の更なる循環利用を進めます。
<取組例>
①竹の価値向上と有効利用の拡大
②剪定枝等の活用